ナスは万能野菜
ナスはインドが原産とされているナス科の一年草です。日本には奈良時代あたりに入ってきたとされています。昔は「なすび」と呼ばれており、今でもその名残が地域によっては残っています。
実は原産地周辺の東南アジアなどではナスは日本とは違って、白色や緑色のものが一般的なのだそうです。これはちょっと以外ですね。日本で一般的なナスは、茎もナスと同じように濃い紫色で、花は薄い紫のものが咲きます。
日本には中国を経由して渡ってきたようで、「正倉院文書」にも出てくるように、いわゆる由緒ある野菜ということになるでしょう。
ナスは夏が旬で、いわば代表的な夏野菜です。地方の個有種については収穫時期がかなり決まっていますが、「千両なす」などの一般的なナスは全国でハウス栽培もされているので、結果としていろいろな産地から通年市場に出荷されています。
もちろん、本来は夏野菜ですから、冬から春にかけてはハウス栽培もので、どうしても味は落ちてしまうようです。種類も豊富で、地方によって伝統野菜になっているなどの特色もあります。
とにかくナスはいろいろな料理に活用できる万能な野菜で、焼きナス、煮物、炒め物、蒸し物、グラタン、漬け物と、とにかく幅広い料理で活用されています。油をよく吸うので、てんぷらにも相性がいいのです。
漬け物では古釘を入れて、仕上がりを美しい色にするのもナスならではです。このナスの紫色は、ナスニンという色素で、鉄やアルミニウムに反応するので、鮮やかな紺色になります。